自動合成、インライン分析

 フラスコを用いた合成法と比較して、比較的操作数が少ないためマイクロフロー合成法は自動化に適しているといわれています。また、マイクロフロー合成法の高速混合と流路内の化学種を分析するインライン分析法(下図:インラインIR分析装置)を組み合わせることで、フラスコを用いた手法では取得困難な、例えば二つの溶液を混合して0.1秒後の化学種のスペクトル情報を得ることが可能です。この情報を通してこれまで知ることのできなかった有機化学の世界を覗くことができます。私達はこれらの手法を駆使した有機化学のより深い理解も大切な研究目的としています。

 現在、様々な低分子機能性分子の合成法開発にも取り組んでいます。企業との共同研究も複数推進しています。最近、国内の企業との共同研究で世界初となる液相ペプチドフロー自動合成合成装置とインラインNIR分析による世界初のペプチド鎖伸長のモニタリングを報告しました。

React. Chem. Eng. 6, (4) 863-870, (2023).